ホンダが「ラストマイル配送」で新事業! 物流用の「電動アシスト四輪車」を欧米をはじめグローバル市場に投入!!

ホンダが「ラストマイル配送」で新事業! 物流用の「電動アシスト四輪車」を欧米をはじめグローバル市場に投入!!

 ホンダはラストマイル配送における新事業として「Fastport」を発表した。米国法人のアメリカン・ホンダモーターがFaaS(フリート・アズ・ア・サービス)事業として創出したビジネスで、欧米をはじめとするグローバル市場に新たに参入する。

 その最初の製品となるのが電動アシスト四輪車(一人乗り電動アシストマイクロモビリティ)の「Fastport eQuad」で、ドイツで開催される「ユーロバイク2025」にて、プロトタイプが世界初公開される。

文/トラックマガジン「フルロード」編集部
写真/American Honda Motor Co., Inc.・Honda Motor Co., Ltd.

「ラストマイル配送」向けにホンダが新事業

ホンダが「ラストマイル配送」で新事業! 物流用の「電動アシスト四輪車」を欧米をはじめグローバル市場に投入!!
ニューヨークでパイロットテスト中のFastport eQuad

 Hondaの米国現地法人であるアメリカン・ホンダモーターは、2025年6月17日、ラストマイル配送における新事業として「Fastport(ファストポート)」を発表。これに合わせて都市部向けの革新的なマイクロモビリティのプロトタイプを公開する。

 Fastportは、アメリカン・ホンダモーター内で新事業の創出を担う「Honda New Business Innovation Lab(ホンダニュービジネスイノベーションラボ)」から誕生した新しいFaaS(Fleet as a Service)事業だ。

(「FaaS」は企業などが保有・運用する複数の車両(フリート)を対象に、導入から管理・保守までを一括で提供するサービス形態)

 Fastportとして初の製品となる配送用の電動アシストマイクロモビリティ「Fastport eQuad(ファストポート イークアッド)」のプロトタイプは、ドイツ・フランクフルトで開催される「Eurobike(ユーロバイク、6月25日~29日開催)」にて世界初公開される。

 物流チェーンの中でも、消費者の手元まで荷物が届けられる最終区間に当たるラストマイル配送は、都市部の混雑した交通や、頻繁かつ迅速性の求められる配達環境など、物流の中で特に複雑な領域だ。

 eQuadは、ライダーがペダルを漕ぐ力を原動力とし、それを電動アシストで補助する1人乗りの配送用マイクロモビリティとなる。自転車レーン(ただし米国・欧州の交通制度におけるもので、日本における定義とは異なる)での走行を想定して設計され、複雑な交通環境や渋滞が多い都市部での物流のスピードや効率性の向上に寄与することを目指している。

 電動アシストの動力源として交換式バッテリー「Honda Mobile Power Pack e:(モバイルパワーパック イー)」を採用しており、簡単に充電済みバッテリーと交換することができ、効率的な配送が可能だ。

 Hondaは、Fastportの展開を通して、北米および欧州をはじめとするグローバル市場におけるマイクロモビリティ市場へ新たに参入する。なお、eQuadは米国オハイオ州のHonda Performance Manufacturing Centerでの生産を計画しており、2026年夏から本格的な量産を予定している。

配送用電動アシストマイクロモビリティの「Fastport eQuad」

ホンダが「ラストマイル配送」で新事業! 物流用の「電動アシスト四輪車」を欧米をはじめグローバル市場に投入!!
バッテリーには交換式の「Honda Mobile Power Pack e:」を採用

 Fastport eQuadはライダーの漕ぐ力を推進力としており、ライダーのペダル操作を電子的に動力に伝えるペダル・バイ・ワイヤ方式と、ペダル操作を電力で補助するペダルアシスト駆動システムを組み合わせ、力強く滑らかで静粛性の高いゼロエミッション走行を実現する。

 回生ブレーキシステムを搭載しエネルギー効率を高めたほか、オートブレーキホールド機能も搭載し安全性も確保した。ライダーが快適に走行できるよう、UVカット加工を施したキャノピーに加え、換気ファンや前面をしっかり覆うカバーも備える。

 北米と欧州それぞれの市場ニーズに応じて、大型と小型の2種類の車両および貨物ボックスを用意し、車両の全長を用途に応じてカスタマイズすることが可能。これにより食料品や、小型荷物から大型荷物まで幅広いサイズ、量の配送に対応する。

 また、モビリティ製品の提供だけではなく、FaaSプラットフォームと組み合わせた包括的なサービスを提供することで、より効率的でコストパフォーマンスの高い配送業務をサポートする。

 例えばバッテリーや貨物ボックスなどの充実した保守・メンテナンス体制を備えるほか、車両の稼働状況やバッテリー残量、走行データを把握することができ、配送業務・管理業務の効率化に大きく貢献する。さらに、ソフトウェアの自動アップデート(OTA)により、継続的に機能の向上を図ることも可能だ。

 2026年の量産開始に先立ち、北米・欧州の物流・配送企業と連携した実証試験を実施しているといい、この検証を通して、より顧客のニーズに応えるモビリティサービスを届けることにしている。

 Fastportゼネラルマネージャーで創設メンバーのホセ・ウィゾグロッド氏は次のようにコメントしている。

「Fastportチームは、都市部におけるラストマイル配送の課題を解決する、配送バンに代わる排出ガスゼロの選択肢となるFastport eQuadの開発に注力してきました。Fastport eQuadは、荷物や食料品などを必要な時にすぐ受け取りたいと考える都市生活者のニーズに応える製品です。Hondaのデザインおよびエンジニアリングの豊富な知見を生かして開発されたFastport eQuadは、持続可能な未来の実現を目指すHondaの取り組みを体現するものです」。

ホンダが「ラストマイル配送」で新事業! 物流用の「電動アシスト四輪車」を欧米をはじめグローバル市場に投入!!
Fastport eQuadプロトタイプモデル スペック

 最高速度は両モデル共通で20km/h、最大積載量は大型モデルで295kg、小型モデルで145kgとなる予定だ。航続距離は積載量によって異なるが、大型モデルの最大積載時で約37kmだという(スペックはプロトタイプのもので変更される可能性がある)。

【画像ギャラリー】Hondaのラストマイル配送ソリューション「Fastport eQuad」(8枚)画像ギャラリー

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